フランス菓子の基本となるアングレーズは、卵黄と砂糖、牛乳で作る滑らかなカスタードソースです。
その名前は「イギリス風」を意味するフランス語に由来しており、温かいデザートのソースや、アイスクリームのベースとして広く使われています。
このソースを作るには、まず卵黄と砂糖をしっかりと混ぜ合わせます。次に温めた牛乳を少しずつ加えながら温度を調整し、とろみが出るまで加熱していきます。
火加減が難しく、温度管理が重要なソースとして知られています。
アングレーズの最大の特徴は、なめらかでコクのある口当たりと、卵黄のリッチな風味。バニラビーンズを加えることで、さらに香り高い仕上がりとなります。
プリンやクレームブリュレのベース、アイスクリームの製法にも欠かせない存在として、多くのパティシエに愛用され続けているのです。
特徴と風味
- 色調:淡い黄色~クリーム色
- 質感:なめらかでとろみのある口当たり
- 香り:卵黄とバニラの豊かな風味
- コク:乳脂肪と卵黄による深い味わい
- 温度:温かい状態での提供が基本
- 甘さ:上品な甘みと濃厚な味わい
主な用途
デザートソース
- プディングの添え
- フルーツの付け合わせ
- ケーキのソース
- クレープの掛けソース
お菓子の素地
- アイスクリームのベース
- プリンの生地
- クレームブリュレの下地
- カスタードクリーム
飲料
- エッグノッグ
- カスタードドリンク
- フレーバーラテのベース
歴史と由来
アングレーズの起源は18世紀のフランス宮廷料理にさかのぼります。
当時、イギリスで人気だったカスタードソースをフランス料理に取り入れたことから、「イギリス風」を意味するアングレーズという名称がつけられました。
その後、フランス菓子の発展とともに技法が確立され、現代では世界中のデザート作りに欠かせない基本ソースとなっています。
保存と楽しみ方
- 要冷蔵(2-3日程度)
- 使用直前に軽く温めなおすことを推奨
- 表面にラップを密着させて保存
- 再加熱は優しく、かき混ぜながら行う
- 温かいうちに提供するのが基本
- フルーツやケーキとの相性を楽しむ
使用時のポイント
- 卵黄と砂糖はしっかり混ぜ合わせる
- 温度管理を徹底(82-84℃が目安)
- 火加減は弱めにコントロール
- 常にかき混ぜ続けることが重要
- ダマにならないよう注意が必要
- こし器の使用で滑らかな仕上がりに
- バニラは風味付けの基本として活用