バッテンバーグケーキ(Battenberg cake)は、ピンクと黄色のスポンジを市松模様に組み合わせてマジパンで包んだ、見た目も華やかなイギリスの伝統的なケーキです。
アプリコットジャムがアクセントとなり、 アフタヌーンティーなどで楽しまれています。

バッティングバーグケーキの歴史
バッテンバーグケーキは、19世紀末にイギリスで誕生した伝統的な焼き菓子で、その名はドイツのバッテンバーグ公家に由来しています。
最も有力な起源説によれば、1884年にイギリスのヴィクトリア女王の孫娘、ヴィクトリア・オブ・ヘッセ・アンド・バイ・ライン(バッテンバーグ公爵夫人)とドイツのバッテンバーグ公子ルイ・オブ・バッテンバーグの結婚式を祝して作られたとされています。
ケーキの鮮やかな市松模様は、バッテンバーグ家の紋章の色を表しており、見た目に華やかさを加えています。
初期のレシピでは、バターケーキの生地を使い、ピンクと黄色の4つの部分を交互に配置するスタイルが一般的でした。
また、19世紀後半にイギリスで流行したモザイクケーキが原型とも言われ、スポンジケーキを細かく切り、ゼリーやジャムで固めたものがバッテンバーグケーキの制作に影響を与えたとも言われています。
当初は上流階級の間で楽しまれていましたが、20世紀に入ると一般家庭にも広まりました。
現在では、イギリスのスーパーマーケットやベーカリーで手軽に購入できる国民的なお菓子として、アフタヌーンティーやパーティーなど、様々な場面で楽しまれています。
バッティングバーグケーキの特徴
バッテンバーグケーキの最大の特徴は、その美しいピンクと黄色の市松模様です。
この模様は、異なる色に着色したバターケーキ生地を細長く切り、交互に組み合わせることで作られます。
断面を切ると、特徴的なチェック柄が現れ、視覚的に楽しませてくれます。
ケーキ全体は、アプリコットジャムでコーティングされ、その上にアーモンド風味豊かなマジパンを薄く伸ばしてカバーするのが一般的です。
マジパンはアーモンド粉と砂糖を練り合わせたもので、しっとりとした食感と上品な甘さを加えます。
このコーティングにより、ケーキの保存性が高まり、長期間楽しむことができます。
バッティングバーグケーキの原材料
バッティングバーグケーキの原材料は、以下のとおりです。
小麦粉 |
バター |
砂糖 |
卵 |
着色料:ピンクと黄色の食紅 |
ジャム:アプリコットジャム、ラズベリージャム |
マジパン:アーモンド粉、砂糖、卵白 |
近年では、チョコレートやフルーツを加えたり、マジパンの代わりにフォンダンやアイシングでコーティングしたりするなど、さまざまなアレンジが登場しており、さらに多様なバリエーションが楽しめます。
バッテンバーグケーキは、主にクラシックバッテンバーグケーキとフレーバーバッテンバーグケーキの2つに分類されます。
クラシックバッテンバーグケーキは、伝統的なレシピに基づき、ピンクと黄色のバターケーキ生地を使用します。
ケーキはアプリコットジャムでコーティングされ、その上にアーモンド風味のマジパンを薄く伸ばして包まれています。
このスタイルが最も一般的で、見た目にも華やかです。
一方、フレーバーバッテンバーグケーキは、様々なフレーバーや追加材料が加えられたバリエーションです。
例えば、レモンやチョコレートの風味を加えたり、ナッツやフルーツを入れることがあります。これにより、風味や食感のバリエーションが楽しめます。