板チョコレート(タブレットチョコレート)は、長方形や正方形の型に流して固めた最もベーシックな形態のチョコレートです。
カカオ豆から製造されたチョコレートの純粋な味わいを楽しむことができる製品として、世界中で親しまれています。
チョコレート本来の風味や食感を重視する製品が多く、カカオ含有量による味わいの違いや、産地による特徴を比較しやすい形態として、チョコレート愛好家にも支持されています。
板チョコレートの歴史
板チョコレートの歴史は、1847年にイギリスのJ.S.フライ&サンズ社が世界で初めて固形チョコレートを製造したことに始まります。
それまでのチョコレートは主に飲料として消費されていましたが、カカオバターとカカオマスを適切な割合で配合する製法が確立されたことで、常温で固形を保つチョコレートの製造が可能になりました。
1879年にはスイスのルドルフ・リンツによってコンチング製法が発明され、なめらかな口溶けの良い板チョコレートが製造されるようになりました。
その後、1908年にスイスのテオドール・トブラーによって、板チョコレートに新たな形状や材料を組み合わせる試みが行われ、現代のような多様な板チョコレートの開発につながっています。
板チョコレートの特徴
板チョコレートの最大の特徴は、一定の厚みを持った板状の形態です。一般的な厚さは5~10ミリメートルで、表面には格子状の溝が入れられていることが多く、これにより一定の大きさに分割しやすい設計になっています。
製品の種類は、カカオ含有量によってダークチョコレート(カカオ分50%以上)、ミルクチョコレート(カカオ分25%以上)、ホワイトチョコレート(カカオバターを使用)に大別されます。
近年では、カカオ豆の産地や品種にこだわった高カカオ分(70%以上)の製品や、ナッツやドライフルーツを組み合わせた製品なども増えています。
賞味期限は一般的に6ヶ月から1年程度で、適切な温度管理により長期保存が可能です。
板チョコレートの原材料
板チョコレートの主な原材料は以下のとおりです。
カカオマス |
カカオバター |
砂糖 |
粉乳(ミルクチョコレートの場合) |
バニラなどの香料 |
乳化剤(レシチンなど) |
ナッツ類(製品により使用) |
ドライフルーツ(製品により使用) |
ホワイトチョコレートの場合は、カカオマスを使用せず、カカオバター、砂糖、粉乳を主な原料とします。